ビールイベントでマネタイズのタイミングをずらすには
西野亮廣氏のブログの「東京五輪がヤバイ」というエントリを読みました。
実はソースを見ていないのでどの程度ヤバイのかはわかっていないのですが、このエントリを見る限りでは相当ヤバイ。自分としては、基本的に労働力への対価はボランティアといえども支払うべきだと思っています。対価を払えず善意の無償労働しか成り立たないものはビジネスとは言えない。
しかし、ビール業界でも同じようなことありますよね。ビールイベントでのボランティア募集。
ビールファンは、(現金以外の補助があるにしても)無償でもいいから好きなブルワリーを手伝いたいし、ブルワーと近づきたい。そして、ブルワリーは最低賃金分を払える予算がないけど人手がほしい。現在はこの両者がうまいことバランス取れているので、そこまで不満は出てきていないんだと思います。
けど、もっと「クラフトビール」が認知されるようになってくると、そうもいかなくなってくるのでは。好きなブルワリーなんて特になく、ただちょっと中を覗いてみたいという人たちから「タダ働きかよ!」という声が大きくなってくる。でも、ブルワリーはそれを支払う余裕はない。中を覗いてみたいという人が実際にボランティアをやらなくても、声を上げることはできてしまいますからね。
というわけなんですけど、これを解決するには次のどれかしかないと思います(他にあるなら教えていただきたい)。
- ブルワリーがもっと儲けて、最低賃金以上の金額を支払えるようにする。
- ブルワリーもしくはボランティア自身が別のマネタイズを考える。
短期的に見て1.は絶対無理。短期的に改善できるのであれば、すぐにでも何らかの改善ができるはず。中長期的に頑張ってブルワリーを大きくして、予算を出せる体力とマインドになってもらわないと、実現は難しそうな気がします。
となると、別のマネタイズを考えるしかない。ビールイベントの会場でビールを売る以外のマネタイズをどうするかを、ちょっとスキマ時間で考えてみました。
例えば。
- polcaで「ビール100杯無料で配るので、その後の打ち上げ代がほしい」という企画を立ち上げる
- ボランティア自身が手伝うブルワリーのビール100杯分を買い取る(5万円くらいか。原価で売ってくれるならその半分くらい)
- Twitterでpolca企画を拡散してくれた人にビール1杯無料で配布
- 100杯配り終える頃には、polcaにいくらか支援が入っている
- ブルワリーのPRにもなり、「ビールを100杯プレゼントした人」としてボランティア自身の信用も高まる
企画を拡散してくれる人のフォロワー数が平均100人だったとしても、1万人には企画が届く。さらにそこからRTされることも考えると、2万人くらいが見るんじゃないでしょうか。この部分は根拠ないけど、1000人にも満たないフォロワー数の僕でもたまにインプレッションが1万超えたりするので、感覚的には10万超えてもまったくおかしくない。
10万人のコンバージョンが1%として1000人(polcaの平均コンバージョンがどれくらいかということも根拠ないけど)。1000人がおもしろいと思ってそれぞれ300円を支援してくれたら30万円ですよ。
コンバージョンが0.5%だったとしても15万円。100杯のビール代以上の金額が手元に残るわけです。0.1%だったら3万円で損益分岐点というところですが、信用は確実に残ります。で、次のイベントでも同じことをやったら、それ以上になるような気がします。
そして、
そんなにうまくいくわけねえだろ!
と思う方。まあ、現段階では机上の空論なので、自分でも書いててうまくいかないかも……と思う部分もあります(自分は支援するタイプの人間ですが)。
何が言いたいかというと、マネタイズのタイミングをずらすこと。西野亮廣氏の著書『革命のファンファーレ 現代のお金と公告』でも書いていますが、入口は無料で入りやすくして、その後のどこかのタイミングで回収できるようにする。上記の例で言えば、ビール代で稼がずに「何かおもしろいことやってるなあ」で稼ぐ(って理解でいいと思うんですけどね)。
なので、いまは上記の例しか思いつきませんでしたが、視点を変えれば他にもっとうまいずらし方があると思うんですよ。
僕としては、ビールを飲みながらそういうことを考えている時間って、なかなか楽しいのです。
あ、もうひとつ、運営側が一括でボランティアを採用するという方法もなくはないですが、これは下策。今の世の中はいかにコミュニティ(ファン)を作るかが重要なので、一括採用して興味のないブルワリーに充てがわれたらまあやる気は削がれますよね。拡散をしてくれるはずのボランティアが何もしてくれないのは損失。下策です。
今日からけやきひろば春のビール祭りが始まってますね。僕は25日に行く予定です。今のところ「100杯無料!」なんて企画をやる予定はありませんがね。
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