8月27日リニューアルの「サッポロ 麦とホップ」を新旧比べてみた
いい気分になっている私です。
あまり節税型発泡酒や新ジャンルは飲まないのですが、2019年8月27日にリニューアルされるサッポロ 麦とホップのサンプルを入手しました。
節税型発泡酒や新ジャンルは飲まないっていうのは、全否定派というわけではなく、そもそも飲みたいビールが山ほどありすぎて、そこまで手がまわらないから。とある雑誌の企画で、30種類ほどの節税型発泡酒・新ジャンルを飲み比べてみたことはあるんですが、「おっ、これはなかなか好み」という銘柄もいくつかあったんですよね。
で、今回はいい機会ですので、サッポロ 麦とホップをしっかり飲んで記録しておこうと。
ただ、リニューアルするといっても、そもそもサッポロ 麦とホップ自体をほとんど飲んだことがないんです。ということで、旧バージョンと飲み比べてみることにしました。
まずはデザインを見比べてみた
左が旧バージョン、右がリニューアルしたものです。リニューアル商品のほうがクラシックな感じで、サッポロ感ありますね。
で、細かいところをいろいろ気にしてしまうのは編集者だからでしょうか。
- 旧バージョンは麦とホップが描かれているのに、新バージョンは麦しか描かれていない
- 新バージョンにだけ「本格仕込・長期熟成」と書かれている
- 旧バージョンには「Simple & Quality」と書かれているものが、新バージョンでは「Original Quality」と書かれている
- 商品名下にある英文の内容が異なっている
- 「★」と「SAPPORO」の比率が異なっている
なんてところがすごく気になります。こういうところに企業の意図が見えることが多いので。さらに言うと、原材料名のところも少し異なっています。
旧バージョン:発泡酒(麦芽、ホップ、大麦)、スピリッツ(大麦)
新バージョン:発泡酒(国内製造)(麦芽、ホップ、大麦)、スピリッツ(大麦)
です。新バージョンにだけ(国内製造)と入っていますね。詳細はわかりませんが、旧バージョンは国内製造ではなかったか、もしくは新旧ともに国内製造だけど今回特にアピールしたいのか、のどちらかでしょう。
飲む前に意図をいろいろ読んでみる
さて、上記5点の違いについて、ちょっと考察してみましょう。なお、考察はあくまでも私見であって、サッポロビールに話を聞いたものではありません。
1. 旧バージョンは麦とホップが描かれているのに、新バージョンは麦しか描かれていない
リリースの文面も含めて考えてみると、サッポロビールが今回のリニューアルで何を目指していたのかが読み取れてきます。リリースはこちら。
リリースには「麦本来のうまみはそのままに、大麦由来の雑味を低減」とあります。その他、どちらかといえば今回はホップよりも麦に重きを置いているような文章がいくつかあり、もしかしたらそれを意識して麦だけを図案化したのではないかと。
2. 新バージョンにだけ「本格仕込・長期熟成」と書かれている
こちらも新バージョンを造る際に意識したことなんだろうなと想像します。本格仕込というのは、リリースにある「当社の新ジャンルで初めてビールの伝統的な仕込方法である1回煮沸法を採用」したということなのでしょう。
1回煮沸法というのは、シングルデコクション法と言えばわかる方も多いでしょうか。デコクション法以外にはインフュージョン法というものがありますが、「インフュージョン法を採用しました!」とあえて言うことはまずないので、旧バージョンはインフュージョン法だったのだろうと想像できます。
3. 旧バージョンには「Simple & Quality」と書かれているものが、新バージョンでは「Original Quality」と書かれている
こちらは、2.でも説明したリリースにある「当社の新ジャンルで初めてビールの伝統的な仕込方法である1回煮沸法を採用」というところでしょう。サッポロビールの新ジャンルで初めてということで、「Original」なのかなと。旧バージョンの「Simple」は不明。
4. 商品名下にある英文の内容が異なっている
見比べてみましょう。
旧バージョン:
Rich and satisfying flavor is assured only by carefully sellected barley and hops.
新バージョン:
Rich and satisfying flavor is assured by carefully sellected ingredients and our original brewing method.
大きな違いは「our original brewing method」ですね。旧バージョンにはないのに、新バージョンには入っている。やはり、今回強調したい部分がこれだというわけです。シングルデコクション法はサッポロビールのオリジナルということではないので、「our original brewing method」というのは「当社の新ジャンルで初めて」の方法だということでしょう。
5. 「★」と「SAPPORO」の比率が異なっている
こういうロゴの比率は決まっているものだと思っていたので、ちょっと驚いたのですが、他の商品を見てみたら全然違いますね。そこの比率は決まっているわけではないんですね、というだけで、味わいには特に関連はありません。
リリースには、「びんビールのラベルを想起されるデザインに一新し、「SAPPORO」を大きく表示することでビールらしさ表現しました」(ママ)とあるので、ビールの味わいに近づけたということを強調したいということですね。
いよいよ飲み比べしてみる
どうでもいい分析に時間を費やしてしまいましたが、飲み比べてみることにします。
左が旧バージョン、右が新バージョン。
ほんの少し新バージョンのほうが色が濃くなっているように見えますが、これは光の具合によるものなので、ほぼ同じです。
まずは旧バージョンを飲んでみます。
適度に麦っていう感じがありますね。鼻から抜けるフレーバーや、後味として残る苦味にホップの爽快感があって、なかなか好印象。少しアルコール感があるので、そこが気になるところでしょうか。
で、新バージョンも飲んでみましょう。
うむ。これは一口飲んだだけで旧バージョンとの違いがわかりました。人によっては「結構違う!」と思うかもしれません。一言で言うと、全体的にまろやかになった、という感じでしょうか。
後味のホップの苦味も含めて、丸みのある味わいになっている印象です。旧バージョンで感じたアルコール感も低減されています。雑味が減ったという言い方をしてもいいかもしれません。
どちらがいい悪いというか、新バージョンのほうが繊細な味わいの料理にも合わせやすいかな、と。刺激が強めの味わいであれば旧バージョンでしょうかね。もう飲めなくなりますけど。
しかし……これが110円前後で飲めるというのは、よく考えるとすごいですな。
私からは以上です。本日はありがとうございました。
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