スプリングバレーブルワリー東京で、最高にけしからんモーニング&ビール
小心者の私です。
代官山にあるスプリングバレーブルワリー東京に行ってきました。朝から。
代官山で朝食を
代官山ですよ、代官山。
正直に申し上げます。このスプリングバレーブルワリー東京ができるまで、代官山という土地を本格的に訪れたことがない田舎者でして(かすったことくらいはある)、かろうじて「代官山」と発音したことがあるくらいです。初めて発音した日のことは覚えていません。
「代官」というその役人的なイメージとは裏腹に、どうやらシャレオツな土地だということではないですか、代官山は。
自由が丘、二子玉川といったシャレオツエリアよりも、個人的にはハードルが高い印象なのですが、その認識でよろしいでしょうか。恐るべし東急。
そんな土地にスプリングバレーブルワリー東京ができたのは2015年4月。それ以来、何回か訪れていますが、代官山の核心的部分は訪れていません。果たして核心的部分がどこなのか、ということすらわかっていません。蔦屋書店は訪れました。が、たぶん核心的部分ではないような気がします。
で、今日が5回目くらいのスプリングバレーブルワリー東京。
あいにく小雨だったので、テラス席には座れませんでした。朝10時くらいに訪れたのですが、そんな時間からテラス席に座って、「うわあ、こんな時間からビール飲んでるなんて、代官山に住んでいる人は違うなあ」と思われてみたい、という目論見は断念。
スプリングバレーブルワリー東京は、代官山駅から徒歩3分ほどの、LOG ROAD DAIKANYAMA(ログロード代官山)という施設内にあります。東急東横線が副都心線に乗り入れる際に地下化した線路の跡地を利用したところです。
ログロード代官山には、他にも店があるんですが、怖くてまだ訪れたことがありません。もしかしたらここが代官山の核心的な部分かもしれませんが、その勇気がないというのが現状です。目が合ったら引きずり込まれてしまうかもしれませんので、早々にスプリングバレーブルワリー東京に入店します。
いざ、朝のスプリングバレーへ
店内に入ると1階にある大きなテーブルに案内されました。店についての詳細はこちらからご確認ください。
朝の10時という早い時間だからか(店は8時から営業)、店内には自分を含めて3組の客しかいません。もう少し客がいればよかったのですが、客よりも店員さんのほうが多いという状況だと監視されている感がハンパなく、店内の写真をあまり撮れませんでした。
コミュニケーション能力の高い人は「店内を撮ってもいいですか?」とさわやかな笑顔で店員さんに聞けるのでしょうが、自分のようなコミュ障はそうもいきません。
自分の席の後ろにあったタンクをサッと撮るのが精一杯。
真ん中のタンクは麦汁が見えるように透明なガラスになってるんですよね。こういうのを見ながら飲めるなんていいじゃないですか。外観もそうですが、内観から何からいちいちシャレオツです。代官山って感じがします。
バーガーという名の安心感
さて、注文しましょうか。8時から11時まではモーニングメニューです。「エッグベネディクト」とか「ケールサラダ」とか、こちらもかろうじて発音したことがあるくらいのレベルのメニューが並び、いきなり代官山の洗礼を浴びてしまいました。
「タルティーニュ」なんていま知りましたよ、いま。ライトナウ。
そんなメニューの中から、馴染みのある名前の「モーニングバーガー」(1000円税込)を注文。なんですかね、この「バーガー」という名前の安心感は。
とはいえ、ハンバーガーで1000円は高いと思うんですよ、普通は。やはりここは代官山。
「バーガーよ、おまえもか」
という名言を残そうかとも思ったのですが、注文をとりにきた店員さんからのアドバイスで救われました。
「ドリンクはどうなさいますか」
何気ない一言ですが、救われました。この「モーニングバーガー」はドリンクがセットになって1000円で、ドリンクはコーヒーや紅茶だけでなくハーフサイズのビールからも選べるのです!(コアシリーズの6種類のみ)
ハーフサイズ(200ml)のビールは480円。ということは、ハンバーガー自体は520円(520円で単品として販売しているわけではありません)。◯クドナルドのセットで700円とか出すよりは全然いいんじゃないの? 結構おトクなんじゃないの? 一瞬でそう考えた私は、落ち着いて、しかし力強く答えました。
「Daydream(デイドリーム)で」
今日はまだ始まったばかりですが、今日一番の笑顔だったと思います。
Daydreamを1杯だけ
本当はここにあるコアシリーズという定番ではなく、限定のビールを飲みたかったんですが、まあセットで選べるのはコアシリーズからということであれば仕方ない。2杯飲むという手もありますが、この後の予定もあり1杯だけ。
どうですか、お客さん。この美しいフォルム。
デイドリームは、いわゆるベルジャンホワイトというスタイル。ベルギー発祥のオレンジピールとコリアンダーを副原料にした小麦ビールです。が、デイドリームは柚子と山椒を使っているのが特徴。
飲んでみると、柚子のさわやかさと山椒のアクセントがいい感じに漂ってきます。晴れた日にテラスで飲んだら最高だと思うんですよね。今日は雨ですけど。
代官山にあるまじきおトク感
ほどなくして、「モーニングバーガー」が出てきました。メニューに写真があったので、どんな感じなのかはわかっていましたが、実際に見るとワクワクが止まりません。普段からあまりいいものを食べていないような素振りだけは見せるまい、と強く思いながら、「モーニングバーガー」がテーブルに置かれる一部始終をしっかり見ていました。
素晴らしい。
朝からこんなものを食べてしまっていいのでしょうか。罰が当たったりしないでしょうか。代官山の住人はいつもこんな素晴らしいものを食べているんでしょうか。そう思うとくやしいので罰が当たればいいと思います。
メニューには、「自家製ソーセージパテ、チェダーチーズ、フライドエッグ」と書いてありましたが、バンズもライ麦を使っている感じがあり(自信がありませんがたぶんそう)、食感すらもシャレオツです。
写真では隠れてしまっていますが、ポテトフライも付いています。これが520円相当だったらかなりおトクなのでは…と食べる前から心の中でよだれを垂らしていた私です。
このチェダーチーズのとろけ具合はけしからんと思いませんか。
それに加えて、分厚い自家製ソーセージパテの食感。一口噛むと適度な肉汁。半熟でトロっと流れ出す卵の黄身。ライ麦バンズのアクセント。それらが一体となって口の中に攻め込んでくるのです。
何もかもけしからんので全部食べてやりました。こんな素晴らしいものをいつも食べている代官山の住人も本当にけしからんと思います。
そして会計へ
滞在時間は30分ほどでしたが、けしからんと思いながらもおいしくいただいた満足感もあり、トータルでは「まあこんなもんかな(意訳:最高か!)」というモーニング&ビールでした。
そんなわけで、「お会計お願いします」と店員さんに伝えて入口のレジに向かい、「カードで」とスマートに伝えました。そして、スッとカードを手渡します。無駄のない流れ。いつ代官山の住人になっても問題ないスマートさだったと思います。
しかし。しかしです。
「こちらにサインをお願いします」
とサインをしようとペンを手に取ったら、レシートが置かれた台のすぐ横にある注意書きが目に入ったのです。
「ここは受付です。お会計はお席でお願いします」
ぬおおおおおお! 代官山、恐るべし!