お土産はどうなる株主総会(キリンホールディングス株式会社)
引き続き株主の私です。
今年も株主総会の時期がやってまいりました。はい、キリンホールディングス株式会社です。キリンさんの株主総会は昨年(2016年)も出席してまして、その様子はこちらに書いてあります。
一言でまとめると、株主総会出席のお土産がなくなったけど何を考えてるのか? ということに議論を尽くした総会でした。
そして、今年も株主総会招集の通知が届いたのです。こちら。
ということで、今年もキリンホールディングス株式会社の株主総会に出席してきたのです。
いざ株主総会の会場へ
会場は、昨年と同じザ・プリンス パークタワー東京です。東京タワーのすぐ近く。
ちゃんとした会社の株主総会はどこでもそうですが、最寄り駅には会場までのルートを示した看板を持った社員さんがいます。まあ場所はわかってるんですが、前を通ると挨拶されるのでこちらも軽く挨拶しつつ会場へ。
会場内でも社員さんがいて挨拶してくれますが、ところどころにこんな看板も。
まあ、昨年からの流れで予想はしていましたが、はっきりと「お土産のご用意はございません」と書かれると、少々萎えますな。
会場の手前には、キリンビールの工場見学を模した展示がありました。こんな感じで醸造過程を簡単に解説したものや、
一番搾り麦汁と二番搾り麦汁の比較があったり、
麦芽、ホップの実物があって、実際にさわってみることができたり。
「ホップの中の黄色いものが、香りや苦味のもととなるんですよ」と説明してもらいましたが、乾燥しちゃってるので当然香りは感じられませんでした。
冷凍させてある生ホップくらいあるでしょうから、乾燥じゃなくて生ホップを触ってもらったらよかったんじゃないでしょうか。もしくはペレットでもいいので置いておいて、香りを嗅いでもらったらいいと思うんですけどね。
個人的には、逆にここまで乾燥したホップはほとんど見たことも触ったこともなかったので、「ランビックに使うホップはこれがもっと古くなったものなんだろうなあ」なんて思ったりして、それなりによかったですけど。
と、その辺をうろうろしていたら時間になったので会場へ。
質疑応答(抜粋)
株主総会では、事業報告とか議案の説明とか、そういった話が会社側からなされるんですけど、面白いのはその後です。その後。質疑です。これを見に来たんです。
一問一答形式で、気になったビール関連の質疑応答を書いていきましょう(文章や口調は筆者が意訳しています)。
株主: ミャンマーって電気大丈夫なの?
キリン:インフラが徐々に整備されてきています。万一停電があっても工場に自家発電があるから大丈夫。
株主: 株主向けに工場見学やってほしいんだけど。
キリン:うーん、お客さんが年間88万人も来るので難しいっすね。
株主: キリンシティによく行くんだけど、よく言えば紳士的。悪く言えば、ナンバーワンだった頃のキリンの泥臭さがないんだよね。
キリン:キリンシティの社長に言っときますね。
株主: エア花見ってのをキリンもやってるけど、今この株主総会で宣伝したら?
キリン:すんません、その話知らないっす。
って感じで、会場はピリピリした感じがありつつも(役員報酬関連の質疑応答の時はピリッとしてました)、内容としてはほのぼのしたものも多かったと感じておりますです。
株主はやはりここが聞きたい!
さて、自分が期待していたのは上記のような質疑ではないのです。が、やはり出ましたよ、お土産についての質問(というか要望)が。
「私は昨年もこの場で言わせていただいたんですけどね、お土産をなぜなくしたのかと。復活させてほしいと。でも今年も用意されてなかった。これが非常に残念。他の大手企業はしっかりお土産を用意している。アサヒもサントリーも出している。たかだかひとり1500円くらいで、原価で言えば750円くらいでしょう。出席株主の分でも300万円くらい。サッカー日本代表にはたくさんお金を出して、株主にはこの300万円も出せないってのはどういうことかと。社長は上から目線でやってるように思うんです。以前の社長はそうじゃなかった。私ね、いろいろ調べま(略)社長の選任は反対します。株主への配慮が足りない。議案の修正動議を提案します!」
と、途中をかなり略しました。一言で言うと、お土産ほしい、ってことです。
しかし、昨年もお土産について発言した人を指名してしまうなんて、議長(社長)も持ってますなあ(もしかしたら有名な株主で配慮をしたのかもしれないけど)。
これに対して、社長はどう対応するのか。
「ご質問ありがとうございました。お答えしたいと思います」
手に汗握る瞬間です。さあ、答えは!?
「お土産につきましては、貴重なご意見として承りました!」
さすが社長! 一言でばっさりと切り捨てました!
見事な株主総会でした。お土産がなかったことについては残念といえば残念ですが、ここまでばっさりと切り捨てられればすっぱりと諦められます。
株主総会を終えて
と、こんな感じで綴ってまいりましたが、誤解のないように書いておくと自分はキリン好きです。好きだから株を保有しているわけで、これからも頑張ってほしいと思うのです。
さて、すっきりした気持ちで会場を出ると、キリンの社員さんたちが、
「こちらお持ち帰りください。新商品のサンプルになります」
と袋を渡してくるんですよね。
中身を取り出してみると…
4月から発売になる、まだ市場に流通していない新商品のサンプル。
…。
うーん、ちょっと考えてみました。
…。
どうみてもお土産です。本日は誠にありがとうございました。