ビール時報

富江弘幸(ビールライター)公式サイト

希少ホップ・ネルソンソーヴィンを使ったキリンビールのIPA(グランドキリン IPA)

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キリンさん好きの私です。

もちろん動物のキリンさんではないです。ビールです。

ビアライターなんてものをやっていると、飲むべきビールが多すぎて、飲んでおかないとな…と思うビールでも後回しになってしまうことがよくあります。

グランドキリン IPA」もそのひとつ。

2017年3月28日にリニューアルして、2週間以上経ったでしょうか。まあ、絶対発売日に買って飲むっていうタイプのビアライターではないので、時間が経ってしまうのは別にいいのですが、ずっと気にはなっていました。

発売日に飲んだところでどうなるわけでもないですし、ビールによっては発売日前に飲む機会もあったりして、発売日なんてものはどうでもいいわけです。

大切なのは、おいしいビールが継続的に飲める世の中になっているかどうか。

 

 

 

ちょっといいこと言った感じじゃないですかね。

 

ま、でもそれは本当に思ってます。おいしいのにいろいろな要因で販売終了してしまうことほど悲しいことはないですからね。

グランドキリン IPAとは?

さて、グランドキリン IPAです。

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味だけでなく、展開の仕方も変えているようですね。このIPAともうひとつのJPL(ジャパンペールラガー)をメインに、季節限定ビールも展開していくようです。

このグランドキリン IPAはどんなビールかというと、

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「ホップ愛香るインディア・ペールエール」だそうで。インディア・ペールエール(IPA)ってのはこのブログでも何回か書いてますが、ホップを多く使って香りと苦味を強くしたビールのことです。

では、ホップ愛ってなんなんでしょうね。「◯◯愛」って思い出すのは原監督の「ジャイアンツ愛」と前田愛くらいですけど、ホップ愛は初めて聞きました。

バックラベルにはこう書いてあります。

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希少ホップ。

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希少ホップ使用。

ネルソンソーヴィンというニュージーランド産ホップを使用

この希少ホップが何かというと、ま、調べればわかるんですが、ネルソンソーヴィンというニュージーランド産のホップです。ビール好きならまあ比較的知っている部類に入るホップかと思いますが、一般の方はわかりませんよね。

だからネルソンソーヴィンという固有名詞は出さなかったんだと思いますが、だからこそ出してほしい。

ホップはその品種によって特徴が異なっていて、柑橘系の香りを出すホップとか、若草のような香りのホップとか、苦味に特化したホップとか、いろいろあるんです。

なので、そこそこ知られているホップの名前を出しておけば、だんだん一般消費者もわかってくると思うんですよね。ホップの違いが。

で、ネルソンソーヴィンの特徴はというと、一般的には白ブドウのような香り・フレーバーと言われています。アメリカのホップとは違う、ちょっと落ち着いた優しい印象。

全世界のホップ生産量に占めるネルソンソーヴィンの割合は1%未満だそうで(0.1%という話も)、まあ希少といえば希少でしょうね。もっと人気のないホップはともかく、それなりに知られたホップとしては少ないのかもしれません。

グランドキリン IPAを飲んでみた

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そんなグランドキリン IPAを飲んでみました。

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グラスの内側についた気泡はご愛嬌。もっとしっかりグラスをすすぐべきでした。内側に気泡が付いてしまうのは、グラスの汚れだと言われてますので、ビールを注ぐ前にはかならず水ですすぎましょう。

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色はカッパー。グラスからは確かに白ブドウを思わせる香りも。少し白ブドウ、柑橘のアロマもありますね。

飲んで見ると、軽い甘味に加えて酸味が少しあるので、フルーティーさが出ています。苦味はIPAとしては弱め。一般的な大手のラガーに比べると強いかもしれませんが、IPAとしては物足りない印象。苦味は後から強くなってきますが、やはりIPAというほどではないしょうかね。ペールエールと考えるといいかもしれません。ただ、後味はIPAっぽい苦味の余韻が残っていいと思います。

グランドキリンの立ち位置

まとめると、IPAとしては物足りないけど味は及第点。グランドキリンの立ち位置は、大手ラガー(キリンで言えば一番搾り)からいわゆるクラフトビールへの架け橋という位置づけだと思っているので(キリンさんがどう考えているかはわかりませんが)、そういう意味ではいいビールです。

キリンビールが関わっているビールで考えてみると、

一番搾り・キリンラガー

グランドキリン

ブルックリンラガー

スプリングバレーブルワリー・よなよなエール

といった流れでしょうか。

今度は、同じくリニューアルして発売開始されたばかりの「グランドキリン JPL」を飲んでみたいと思います。

他にも順番待ちしている先に飲むべきビールを飲んでからになりますが…。