現美新幹線で世界最速芸術鑑賞―新潟・山形・福島の旅(2)
芸術的センスのない私 @hiroyukitomie です。
前回↓からの続き。
ついに念願の現美新幹線にご対面。いよいよ乗車です。
乗車したらいきなり黒光りの内装。いちいちカッコいい。
出発までは10分ほど時間があるので、ひと通り端から端まで見てみることにします。現美新幹線は6両編成で、11号車から16号車まで。11号車が越後湯沢方面、16号車が新潟方面です。
まずは16号車。ブライアン アルフレッド氏のアニメーション作品です。
車内にはモニターが5つ配されていて、すべて同じ映像が流れます。新潟の風景をアニメーション化したものだと思われ、これは長岡の花火でしょうか。
刻々と移り変わるアニメーション。こちらは新潟の雪景色。
15号車に移りましょう。荒神明香氏の作品。
これはもう15号車に入った瞬間、感動しましたねえ。この作品の詳細は省きますが、カラフルな色使いに魅了されます。
真正面から見るとこんな感じ。
美しい。
これらは糸で吊るされていて、現美新幹線が走り出すと少し動くのです。
そして14号車。石川直樹氏の写真が展示されています。
石川直樹氏は単焦点レンズのみを使用する写真家(80mmだけらしい)。ズームレンズは使わないので、被写体との距離感も写真に表現されるんですよね。そんな話を聞いてカッコいいと思ったこともあり、私も基本的に単焦点レンズしか使いません。
まあ、この日は撮影が必要な仕事もあったので、ズームレンズを使っていますが……。
次は13号車です。この車両は2つに分かれています。14号車寄りは、古武家賢太郎氏の作品。
カフェスペースにもなっていて、コーヒーやビール 、軽食が注文できます。
ビール。そうですビールです。
1種類だけでした。カーブドッチワイナリーが造るゴールド(680円)。芸術鑑賞しながら飲みたいところでしたが、この後が仕事なもので諦めました……。
なので、コーヒーを。
燕市のツバメコーヒーです。マイルドな感じでスイスイ飲めるおいしいコーヒーでした。ちなみに、ツバメコーヒーのお店では、ガンジー牛乳を出しているらしいのですが、それがここにもありました。
ガンジー牛乳とは、
長岡市(旧和島村)にある加勢牧場さんのガンジー種というイギリス原産の乳牛から採れた新鮮な牛乳
だそうです(ツバメコーヒーのウェブサイトより)。基本的にコーヒーには砂糖を入れるだけの人なので、ガンジー牛乳は入れませんでした。アホですね。入れておけばいいのに。
そして、12号車寄りの半分はアートユニットであるParamodelの作品。
キッズスペースと一緒になっており、子どもたちがプラレールを使って遊べるようになっています。私が乗った時は大きいおともだちしか乗車していなかったようで、プラレールで遊ぶ人は皆無。案内係のおねえさんも退屈そうでした。
さて、12号車を見てみましょう。小牟田悠介氏の作品です。
入ってみるとこんな感じで、「なにもないじゃん」なんて思ったセンスのかけらもない私です。
壁は鏡っぽくなっていて、窓側を見なくても車窓が見られるわけですね。こんな感じで。
鏡に映る自分とその後ろを流れていく風景。なかなかできない体験です。
そして最後は11号車。松本尚氏の作品。
こちらは指定席になっているので、事前に指定席券を買わないと乗れません(現美新幹線は11号車以外、乗車券と自由席特急券だけで乗車できます)。
なので、こちらの写真を撮ったのは、新潟駅で全員が下車した後。
上越新幹線は比較的トンネル区間が多いのですが(だからこそ現美新幹線が合っているともいえる)、トンネルで真っ暗なときにこの蛍光カラーがどう見えるのか、がおもしろいところなのではないでしょうかね(指定席に乗ってないのでわかりませんが)。
そんな感じで、ツバメコーヒーを手にした私が選んだ席はこちら。
石川直樹氏の14号車です。
優雅ですねえ。越後湯沢から新潟まで、約50分という短い時間ですが、6両の芸術鑑賞をしてコーヒーを飲むという時間にはぴったりのように思えました。
今回乗車したのは、8:24越後湯沢発のとき451号ですが、乗客が少ない! 朝だからかもしれませんが、乗客が少ない! もっとみんな乗りなさいよ。
越後湯沢を発車したときには各車両に乗客は5人くらいだったでしょうか。新潟に近づくにつれて乗ってくる人も増えましたが、席は全然空いてました。50分なら立ち見でもいいかな、くらいに思っていたのですが、余裕でしたね。昼間の便は混むのかもしれません。
あ、そうそう、現美新幹線に乗ってもうひとつ「おおッ」と思ったのは、出発時のアナウンスが、
「本日は現美新幹線にご来場いただき誠にありがとうございます」
だったこと。
世界最速芸術鑑賞、最高でした。新潟へ行くついでに乗ってみるといいのでは。
そして、旅は続きます。