ビール時報

富江弘幸(ビールライター)公式サイト

君は横浜の風を感じたか(一番搾り 横浜づくり)

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安っぽい私です。

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昨日は「一番搾り 北海道づくり」について書きましたが、今日は「横浜づくり」です。こちらも昨年の記事がありますので、まずは読んでいただけるといいような気がしてなりません。

 

缶に書かれたメッセージを比較して読み解く

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さて、「横浜づくり」についても、缶に書かれたメッセージから読み解いていきましょう。

2016年はこちら。

横浜の人を、ハッとさせるビールって?
工場のみんなで、地元のことを語り合いました。横浜の人のしあわせな時間に、一番似合うビールをつくるために。歴史と文化が融合する横浜のような、洗練された味わいの一杯ができました。横浜だけの一番搾りを、ぜひ、お楽しみください。

2017年はこちら。

横浜の風を感じるような、すっきりと爽やかな一杯。
地元のことを、神奈川の皆さまと語り合って生まれた一杯です。もっと地元の皆さまに愛される味わいを目指して、一番搾り製法で、より一層軽やかな飲み口に仕上げました。ブラウンの色合いが目にも美しい、地元の皆様に喜んでいただける、ちょっと新しい一番搾りです。

 

困りました。

こうやって昨年のメッセージを読んでみると、味に関する言及がまったくありません。一見味わいの表現っぽい「洗練された味わい」は具体的な味わいとしての表現ではありませんし、言ってみれば枕詞みたいなものです。

「草枕」と「旅」、「たらちね」と「母」のような感じ。

 

ちょっと本題からズレますが、「たらちね」って「垂乳根」と書くんですね。いま初めて知りまして、「垂れた乳の根」ってなんて表現だと思って検索したら、10年以上前に「知恵袋」で質問している人がいました。

いやあこの質問者も私もアホで申し訳ございません。

 

閑話休題。

そういうことで、2016年には味についての言及はなかったのですが、今年はあるのです。

もっと地元の皆さまに愛される味わいを目指して、一番搾り製法で、より一層軽やかな飲み口に仕上げました。

この部分ですね。「もっと」「より」という言葉があります。これは何かと比較しているわけですが、やはりその対象は2016年の「横浜づくり」でしょう。

 

飲んで比較してみる

 

2016年の「横浜づくり」を飲んだときのインプレッションを、当時の私はこう書いています。

比較的香りもあり、柑橘系の香りもかすかに感じます。飲んでみると、アルコール度数6%ということもあって、ボディ感は強め。しかし、甘味は控えめなので、スッと飲めます

2017年には「より一層軽やかな飲み口」と書かれているからには、ボディ感は弱めになっているんでしょうね。と思って飲んでみました。

 

 

弱めだ。

 

 

確かに軽やかな飲み口。偽りなし。

 

なんですが、色は昨年同様やや濃い目なので、少々見た目との違和感はありますね。軽やかな感じがありつつ、ブラウンの液色。

そして、昨年以上に酸味が強く出ています。「すっきりと爽やか」という表現どおり、そのように味わいを変えたのかもしれません。甘味と苦味は控えめです。酸味がやや出ていて「すっきり」「爽やか」「軽やか」のいずれも満たしている感じがします。

「横浜の風」を感じるかどうかは各自の判断におまかせしたいと思います。

 

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今年の「横浜づくり」には、唐揚げとかハムカツとかいいんじゃないですかね。酸味がレモンっぽい印象で、ブラウンの色合いが揚げた感じと合うんじゃないでしょうか(うーむ、唐揚げやハムカツでは、横浜の風は感じないか……)。

 

と、想像してると、その辺の1000円くらいで十分楽しめる安い居酒屋(褒めてます)に行きたくなってきますなあ。