埼玉を忠実に再現(一番搾り 埼玉に乾杯)
出身地は東京と主張している私です。
生まれは東京です。いま埼玉に住んでいようがなんだろうが、生まれは東京なのです。杉並区です。なので、出身地は東京だと主張してきました。
が。
どうやら「出身地=出生地」とは限らないようなのです。恥ずかしながら最近知りました。いや、ホント恥ずかしい。恥ずかしすぎて穴があったら入りたいくらいですが、未だに適度な穴が見当たらないので入りません。
で、出身地とは、15歳くらいまでに一番長く過ごした場所のことを指すらしいんですよね……。
東京に住んでいたのは生まれてから2歳くらいまででして、そうなりますと、私の出身地はですね……
茨城
いや、別に茨城が嫌いなわけではないですよ。もちろん長く住んで育った場所なので好きなのですが、いま笑いましたよね? これが神奈川とか、京都とかだったら笑いませんよね?
茨城ってなんだかそんな扱いなのです。
そして、いま住んでいるところが埼玉。
埼玉も「ださいたま」などと言われて見下されることも多い県だったりします。正直言って、茨城に住んでいた中学生時代、埼玉を見下しておりました。そんな私がいまは「ださいたま」に長いこと住んでいて、もはや「どさいたま」となってしまっております。
でもね。
住めば都とはよく言ったもので、まあ都とまでは思わないですが、まあ埼玉もいいところですよ。いま住んでいるところは川越の文化圏で、埼玉というか川越がいいんでしょうかね。歴史のある街って好きなんです。
そんなわけで、今回は「一番搾り 埼玉に乾杯」を飲んでみました。
47都道府県の一番搾りについては、このあたりの過去記事を読んでいただければ。
「埼玉に乾杯」は昨年まで「埼玉づくり」だったんですけど、「埼玉づくりとか言いながら埼玉で造ってないやんけ!」というクレームがあったため、今年は「埼玉に乾杯」となったわけです。
過去記事の「福岡づくり」というのは実際に福岡で造られているので、昨年通り。「◯◯づくり」となっているのは、工場のある県にのみ許された名称なのです。
で、「埼玉に乾杯」は茨城県の取手工場で造られています。
茨城……
やはり自分は茨城と埼玉からは逃れられない星の下に生まれてしまったのかもしれません。
さ、では、飲む前に缶裏のメッセージを見てみましょう。
余韻まで楽しめる、バランスのとれた埼玉らしい一杯
地元のことを、埼玉の皆さまと語り合って生まれた味わいです。口当たりはどこまでもやわらかく、爽やかな麦の余韻まで楽しめる。そんな絶妙な一杯を、一番搾り製法で実現しました。バランス感覚に優れ、さりげなく気をつかえる埼玉の人によく似た一番搾りです。
このように書かれています。
そして、昨年は飲んでいませんが、「埼玉づくり」の缶裏メッセージも見てみましょう。
のほほんとしてるようで、気もつかえる。埼玉の人って絶妙。
埼玉の皆さまと、地元のことを語り合いました。埼玉の人のしあわせな時間に、一番似合うビールをつくるために。やわらかい口当たりと、爽やかな麦の余韻が、絶妙にとけあう一杯。仲間も仲間の仲間も、ゆるやかにつながる、埼玉の輪にぴったりの一番搾りです。
文章を比較してみると、埼玉の特徴として「気をつかえる」ということと、「埼玉に乾杯」の特徴として「口当たりがやわらかく、爽やかな麦の余韻が楽しめる」ということが挙げられます。
これが埼玉なんでしょうね。これといった特徴がないところが埼玉の埼玉たる所以。
では、飲んでみましょう。
まず華やかなアロマが感じられますね。メッセージの通り、甘味と酸味のバランスがなかなか。ガス圧が低めな印象で、すっきりという感じではなく、ゆっくり飲むといい感じです。
埼玉を忠実に再現したせいか、味わいにこれといった特徴はないのですが、これは本当にバランスがいいです。今年飲んだ47都道府県の一番搾りの中では一番うまいと思えるビールかもしれません(と言ってもこれが5本目ですが……)。
とはいえ、このレビューは埼玉補正がかかっているかもしれませんので、それは割り引いて読んでいただければと思いますが、思ったよりも自分が「どさいたま」になっていることに驚いてもいます。
そして、来月引っ越すのですが、引越し先もやはり埼玉なのでございます。