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北極点到達の早大生に対するコメントがひどい

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可能性が狭まっている私です。

Yahoo!ニュースの記事を見てこんなことを思いました。

知らない人はいないと思いますが、Yahoo!ニュースにはコメントできる機能があるんですよね(提供元の媒体によってはコメントできないものも)。自分は、家に帰るまでが遠足な感じで、最初に表示されるコメント3つを読むまでがYahoo!ニュースなのです。

なので、このニュースも他のニュースと同様、コメントまで読んだところ、3つともひどいコメントだったので、ついついツイートしてしまったわけです(どうでもいいですが、ついついツイートっていいリズムじゃないですかね)。

北極点に到達して帰国した大学生が会見したという記事に対して、「カネも必要」「金持ち」「広告代理店の匂いがプンプンする。」といったコメント。自分が記事を読んで純粋にすごいと感じたこととは全然違うことでした。

こうやって世の中の多くの意見と自分の意見がどこまで合っていて、どこからが違うのか、ということをいつもYahoo!ニュースから学んでいるわけですが、今回はあまりにも違ったんですよね。

この大学生は、北極点に到達しただけでなく、南極点も踏破していて、世界7大陸最高峰にも登頂。20歳で。純粋にすごいとしか思わないんですけどね…。

金があればできるってものでもない

そもそも(いま話題のそもそも)、自分もちょっと前までは日帰り登山をしてまして、丹沢とか秩父とかちょっと遠くであれば谷川岳とか、2000mくらいまでの山によく行ってたんですよね。

それくらいの山でさえも、それなりに準備も必要だし体力的にもキツいときもあったりするんですよ。

ナメてると怪我もします。自分なんて、下山して気が緩んでいたのか、ほぼ平地のようなところで滑って手の指を骨折したことがあります。これは自分がアホだったからですけど(ギプスにいろいろ落書きされたものです)、山に登るだけでも大変なんですよね。山登りが好きだとはいっても。

世界7大陸最高峰の登頂なんてどれだけ大変か。北極点到達のほうがどれだけ大変か。それだけで十分すごいし、評価していいんじゃないですかね。金があれば誰でもできるってレベルではないですよ。コメントで貶める必要ないでしょう。

純粋に成果がすごいという見方ができないコメントばかり

他のコメントも気になって、いろいろ見てしまいました。暇なんですね、自分も。

「働いて得た自己資金で達成できたのなら尊敬しますが」「家庭的に恵まれてるから出来る事であって別に凄いなとは思わない」「インタビュー映像を観ました。謙虚な方と想像してましたが、ちがいました」

そもそも(いま話題のそもそも)、昔からこういった登山はスポンサーがついているもの。彼女もおそらく自分でスポンサー探したんでしょ。能力を売り込む能力もあるのは素晴らしい。自己資金だけで達成したらしたで、それこそ金持ってるからって批判されるんでしょうね。

彼女のプライベートは知りませんし、インタビュー映像も見たことはありません。彼女についてのいろいろな情報を得たら、もしかしたら嫌いになる要素があるかもしれないですね。でも、仮に嫌いになったとしても、成果は素晴らしいとしか言いようがない。

可能性がうらやましい

40代になると、もう人生での可能性がどんどん狭まってくるんですよね。それは歳を重ねるにつれて狭まっていく。

可能性って若いうちに広げていくと、10年後、20年後の可能性がとても大きなものになる。その可能性を何らかの成果につなげられるかどうかは別な話ですけど、可能性は大きいほうがいい。

彼女は、その可能性を成果につなげて、さらに今後の自分の可能性を広げている状態ですよね。歳を取ってくると、それがとてつもなくうらやましく感じてきます。

まだ20歳らしいですからね。インタビュー映像を見たら気に入らないと思うかもしれませんが、若い人が成し遂げた成果は純粋に評価してあげたいと思います。

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