ビール時報

富江弘幸(ビールライター)公式サイト

嗚呼、麻婆豆腐

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麻婆豆腐にはうるさい私です。

うるさいだけなので周りにはご迷惑をおかけしているかもしれません。実は麻婆豆腐の本場である四川省成都市に留学していたことがあるんです。ええ。

これだけでうるさそうな感じがしますよね。料理が得意なわけでもないのに、現地で食べたというだけで何でも知っているような感じ。自分が逆の立場だったら、こういう人にはあまりかかわらないほうがよさそうな気がしますが、まあちょっと聞いてください。

成都には陳麻婆豆腐店という、麻婆豆腐発祥の店があるんです。中国で儲けちゃったからなのかわかりませんが、日本にも支店があります。ただ、味は全然違います(値段も全然違いますが…)。

日本の場合は唐辛子の辛さがメイン。激辛麻婆豆腐をウリにしている店がありますが、ほとんどが唐辛子の辛さですよね。商品名も四川風麻婆豆腐なんて書いてあるんですが、はっきり言って何が四川風かわかってないんじゃないかと思います。

四川の辛さといったら「麻(マー)」と「辣(ラー)」の組み合わせ。「辣」とは唐辛子の辛さはで、もうひとつの「麻」は山椒のビリビリ痺れるような辛さです。四川の麻婆豆腐は唐辛子の辛さもあるんですが、花椒(山椒)がかなり強くきいています。それなのに四川風麻婆豆腐と名乗っている店は(というか、日本の多くの麻婆豆腐は)、花椒が入っていないんです。

花椒を入れずに何が四川風かと私は言いたい!

…すみません、取り乱しました。

まあとにかく四川風を名乗るなら少なくとも花椒は入れましょう、ということです。最近は花椒を申し訳程度に入れる店は出てきているようですが、まだまだ量が足りません。

見た目はそんなに変わらないんですけどね。花椒の粒を砕いたものが入っているのがわかるでしょうか。これで留学していた2004年当時は6元(約90円)。ご飯が1元なので、100円ちょっとで食べられたんです。

成都ではおやつ的な感じなんですよね。確か、1杯2元(約30円)くらいだったと思います。量は少ないです。

日本で成都と同じような麻婆豆腐が食べられるところって、あまり多くはないのですが、自信を持ってオススメできるのはやはり四川飯店ですね。高級ですけど、麻婆豆腐以外の料理も値段以上の満足感が得られます。

で、結構長く書いてしまいましたが、今日はゴールデンウィークだというのに特に何も予定がないので、自宅で麻婆豆腐を作ったのです。

作ったといっても、日本ハムの「中華名菜 四川辛口 麻婆豆腐」を使ったので、コレと豆腐を炒めるだけ。実はコレ、四川飯店の陳建一氏指導によるもの。3人前×2回分入っていて、300円程度なんですが、非常にうまいんです。

この商品を知るまでは、自分で豆板醤や豆鼓を使って作っていたんですが、コレを知ってから自分で味付けして作るのがアホらしくなってしまいまして。1回分150円+豆腐代で、手間もかからずこんなにおいしいわけですから。もちろんちゃんと花椒が付いています。

麻婆豆腐にうるさい私からは以上です。