平日の昼間からけやきひろばでビールを楽しんでいる人たちには伝わらないこと
まったく悔しくない私です。
ランチを食べている途中の私は、箸を持つ手を止めてしまいました。うーむ。
クソまずい。
なぜそんな店に入ってしまったのだろうか。私にうまい店かどうか見極める目がなかった、という単純な話ではありません。
なぜなら。
なぜなら、以前もこの店でランチを食べて、
クソまずッ!
と思ったことがあったからです。接客もひどいし二度と来るか! とまで思いました。なのに、なぜか同じ店でランチを食べている。また魔空空間に引きずりこまれたのでしょうか。
否。
自分なりに分析するに、この店のキャッチコピーにつられてしまったのではないかと考えています。これが糸井重里もビックリのコピーなのです。
「ごはんおかわり自由」
天才でしょうね。コピーの天才。このコピーを作るためだけに生まれてきて、そのぶん料理をうまく作る能力が欠除しちゃったんでしょうね。
言い換えると、道路に「ごはんおかわり自由」と書いておけば、それだけでお金を払ってしまいそうだということです。いや、払うでしょうね。払います。
これは天才だ。
しかし、料理をうまく作る能力はない。一切ない。
これは明らかに自分の見る目がないということではなく、キャッチコピーが天才的だったからだ。私としたことがしてやられた。でも、小僧、今日はいいものを見せてもらったぞ。私の負けだ。仕方ない。負けてこんなに清々しいのは、この世の中でも私以外に、2009年夏の甲子園で中京大中京にあと一歩のところで負けた日本文理くらいだろう。
そう思って箸を持つ手を止め、目を閉じたのです。
ああ、いまこの瞬間、平日の昼間からけやきひろば*1でビールを楽しんでいる人たちに、この清々しさがわかるだろうか……と。
*1:さいたま新都心駅すぐのけやきひろばで、春のビール祭りが開催中だ。